中学時代の同級生から、突然のLINE。
「ひさしぶり！」
その一言が画面に表示された瞬間、懐かしいようなむずがゆいような、不思議な感覚が胸をよぎる。
軽い近況報告でも始まるのかと思いきや、少しのやりとりの後に返ってきたメッセージは「結婚するから、式に来てほしい」という招待だった。久々に連絡が来たと思ったら、いきなり結婚式の話題。正直、「えぇ、行きたくない…」と嫌な気持ちが大きい。しかも、中学の同級生たちも大勢集まるという。
想像しただけで面倒くさい。正直、結婚式なんて文化がなければいいのに……とすら思ってしまう。だけど、相手にとっては人生の一大イベント。雑に扱えば悪者になるのは自分だ。モヤモヤした気持ちを抱えながら「どう返事しようか……」とLINEの画面を眺め、指が止まったまま動かない。
「お祝いしたい気持ち」と「会いたくない相手」がせめぎ合う瞬間
結婚式は「人間関係の縮図」
結婚式には家族や友人だけでなく、職場の仲間や昔の同級生など、さまざまなコミュニティから人が集まります。
そのため、どうしても会いたくない相手と鉢合わせするリスクが高くなりがち。
結婚式という場は「以前の人間関係」が一同に介する場所だからこそ、普段は顔を合わせないようにしていた人たちとも再会する可能性が高まるのです。
祝いたいのに、素直に喜べない葛藤
新郎新婦が大切な友人・親族であればあるほど、「行きたくないなんて失礼かも」と罪悪感が募ります。
しかし、心がモヤモヤしてしまうのは仕方のないこと。嫌な思い出のある人と同じ空間にいるだけで、楽しい雰囲気どころかストレスが先行してしまうのは自然な感情です。
会いたくない相手の代表例
元カレ・元カノ
「今さら顔を合わせたくない」
別れ際にトラブルがあったり、一方的に傷ついた経験があると、顔を合わせるだけでも胸が痛むもの。さらに、周囲から「久しぶり！ どうして別れたの？」などと冷やかされる可能性を考えると、憂うつになってしまいます。
昔の友人や元同僚で険悪になった相手
「不穏な空気しか生まれない予感」
ちょっとした誤解や意見の違いから絶交状態になった元友人、あるいは仕事上のトラブルで気まずくなった元同僚。そんな人が招待客にいるとわかった瞬間、「気まずさ」を通り越して式そのものがストレス源になります。
家族間の不仲
「親戚同士が険悪……」
恋愛や友人関係だけでなく、親戚同士が冷戦状態というケースも珍しくありません。結婚式では家族が一堂に会すため、「あの叔父さんと絶対顔合わせたくない……」という事情があると、ただの参列者であっても気が重くなるものです。
行きたくない……でもどうする？ 対処法と心構え
あえて“欠席”するという選択肢
正直に言えないときは角の立たない理由を伝える
「会いたくない人がいるから行きません」では、新郎新婦を困らせてしまう可能性が高いです。かといって数ヶ月も先の話に「用事がある」とあからさまな嘘をつくわけにもいかない……というときは、家庭や仕事、体調など「やむを得ない事情」をオブラートに包んで伝える方法もあります。
以下の記事で結婚式の上手な断り方を解説しているので参考に断りの文面を考えてみてください。
早めに連絡して相手への配慮を忘れない
結婚式の準備は非常にタイトです。欠席を選ぶならできるだけ早めに連絡し、可能であれば「お祝いの気持ちはちゃんとある」という意思表示としてメッセージカードやちょっとした贈り物を渡すなど、フォローをしておきましょう。
ドタキャンは負担も大きくなるので気を付けて！
出席する場合に備える工夫
会いたくない相手とできるだけ接触しないプランを考える
披露宴会場の席次表をチェックしたり、二次会がある場合はなるべく別のテーブルをリクエストしたり。式場の構造や流れをある程度把握しておくと、無用な接触を最小限に抑えられます。
同じ思いを共有できる“味方”を見つける
ほかにも「会いたくない人がいて気が重い」という友人がいるなら、連絡を取り合い協力してサポートし合うのも有効。一人で不安を抱え込むより、「当日は席替えしようね」「休憩中は私の近くにいなよ」など助け合うと精神的にラクになります。
終わった後の“ご褒美”を用意する
気まずい空気を我慢しながら結婚式を乗り切るのは大変です。頑張った自分へのご褒美として、翌日は休暇を取ってリフレッシュしたり、少し贅沢なスイーツを用意したり、楽しい計画をあらかじめ立てておくと気持ちが軽くなります。
なぜこんなにストレスを感じるのか？ 自分の気持ちを整理しよう
過去の傷がまだ癒えていない
「元カレ（元カノ）に会うのが怖い」「あの人を見ると嫌な思い出が蘇る」など、過去のトラウマが完全に解消されていないケースが多いです。結婚式という華やかな場は、その傷口を刺激しやすい環境ともいえます。
お祝いの場ゆえにマイナス感情を隠しづらい
結婚式は基本的に“プラスの感情”が前提の空間です。そのため、自分のネガティブな想いを打ち明けにくく、孤立感を覚えることも。また、「せっかくのめでたい日なんだから、楽しんで当然」という空気がさらにプレッシャーを増幅させます。
結婚式はお金もかかる
正直、嫌な気持ちを抱えてまで出席して３万円の御祝儀を包み、ドレスなどを用意して、交通費をかけてーーとやっていると５万円はかかってしまいます。
このご時世、お金に余裕がある人なんてそうそういません。そんな貴重なお金と貴重な休日を使ってまで嫌な気分になる結婚式に行くとか最悪です。
お金が勿体ないので正直行きたくないですね。コスパもタイパも最悪なのが結婚式です。
自分の気持ちを大切に、それでも祝福を忘れない
「会いたくない相手がいるから結婚式に行きたくない」という感情は、決して珍しいものではありません。むしろ人間関係が複雑であればあるほど、自然に起こりうる悩みです。大切なのは、以下のポイントを押さえた上で最終的に自分が納得できる行動を選ぶこと。
- 欠席するなら早めに伝え、角の立たない理由でフォローする
- 出席するなら事前準備や味方づくりでストレスを最小限に抑える
- 自分の心の傷や不安に向き合い、必要なら信頼できる人に相談する
そして何より、結婚式は新郎新婦にとって人生の大切なスタート地点。自分が出席しようと欠席しようと、「おめでとう」と思う気持ちがあるなら、その形をできるだけ相手に伝えることがポイントです。会いたくない人がいるからこそ悩みますが、同時に「自分はどうすれば後悔しないか？」を軸に決断してみましょう。
結局のところ、結婚式はあくまで他人のイベント。
無理をしてまで参加して傷つく必要も、罪悪感に苛まれる必要もありません。自分の心と時間を守りながら、できる範囲でお祝いする――それが、あなたの人間関係を大切にしつつ、自分自身を守る最善策ではないでしょうか。
コメント