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祝儀がもったいない? お金がない? 結婚式を嫌がる経済的理由

祝儀がもったいない? お金がない? 結婚式を嫌がる経済的理由

「またか……」

スマホの通知欄をみて私の心がざわつく。
画面を開くと、そこには華やかな招待状の画像と、「結婚式、ぜひ来てね!」のメッセージ。

おめでたい。もちろん、おめでたい。
でも、次の瞬間、私はカレンダーをめくり、ため息をつく。
今月はこれで二回目の結婚式。

──ご祝儀、ドレス、二次会費、交通費。
一瞬で頭の中に数字が浮かび上がり、財布の中身が目に見えて消えていくような気がした。
祝う気持ちと、経済的な現実。その間で揺れ動く自分を、どうすればいいのか。

目次

結婚式にかかる費用が高すぎて辛い

大学を卒業して数年が経ったころ、私のまわりでは結婚ラッシュが始まりました。サークル仲間やバイト友だち、高校時代からの旧友まで、みんなが次々とゴールインしていく。

もちろん「おめでとう!」という気持ちはあるのですが、同時に立て続けに届く招待状を開くたびに、心がちょっと重くなるんです。それは、純粋に「またご祝儀を出さなくちゃいけないのか…」という経済的なプレッシャーが大きいから。

私の給料は決して多くないし、家賃や光熱費を払って、毎日の食費をまかなっているとあまり余裕がありません。そんな中で3万円を包むのは、やっぱり負担を感じてしまいます。

ちなみに、日本で挙式・披露宴を行う場合の平均総額は約343万9,000円とされており、1人あたりに換算すると約6万6,000円のコストがかかっているというデータがあります(リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」より)。
ご祝儀3万円というのは、この1人あたりコストの一部をゲストが負担する形でもあるわけです。

結婚式にかかる費用は多い

二次会に参加しようと思えば会費がかかるし、ドレスや靴も必要。まして遠方で式があるときは交通費や宿泊費までプラスされる。結婚式は確かに晴れの舞台だけれど、現実の財布事情を考えると「正直きついな…」と悩んでしまうんですよね。

  • ドレス・靴などの衣装代
    レンタルでもそこそこ費用がかかるし、購入するとさらに出費がかさみます。
  • 二次会の会費
    参加するたびに5,000~8,000円程度が必要になることも多いです。
  • ヘアセットやメイクなどの美容代
    意外と忘れがちですが、こちらも1万円近くなる場合があります。
  • 遠方の場合の交通費・宿泊費
    新郎新婦が一部負担してくれることもあるけれど、自腹になるケースもあり、負担は増大しがちです。

ご祝儀以外の出費を含めた場合、一度の結婚式参列で4~6万円程度かかることも珍しくありません。

若い女性なら、ご祝儀3万円に衣装・美容代、二次会会費を合わせて5万円程度というのが平均的とする調査もあります。

初めて出席する場合や遠方だと「交通費」+「前泊費用」で費用がものすごく膨らむケースもあり、複数回参列が重なると家計への影響はかなり大きくなります。

「祝いたい気持ち」と「経済的な現実」のギャップ

仲の良い友人がドレスアップして幸せそうに笑っている姿を想像すると、やっぱり「行ってあげたい」という気持ちになる。私も自分の結婚式には来てほしいだろうし、招待されたらなるべく出席してあげたいと思うものです。

でも、一方で現実の生活があります。毎回何万円も払っていたら、生活費や貯金がどんどん削られてしまう。とくに私みたいに結婚ラッシュにどっぷり巻き込まれたときは、月に何度も祝儀が飛んでいってしまうこともありました。いくらおめでたい気持ちがあるとはいえ、「これ、本当に大丈夫かな…」と不安になることも多かったです。

「祝いたくないわけじゃないけど、お金がきつくて…」なんて打ち明けたら、ケチだと思われるんじゃないかとか、恥ずかしいし。そうやって心の中にモヤモヤを抱えたまま、招待状を握りしめていました。

実際、あるアンケートでは「結婚式への参列が負担だと感じたことがある」人が6割以上にのぼり、その主な理由のトップが「ご祝儀の金額」だったという調査結果もあります(HiClub株式会社の2024年調査より)。特に20代は「3万円のご祝儀は高すぎる」と感じる割合が64%に達するとのデータもあり、若年層ほど経済的負担を強く意識しているようです。

無理をして参列することのメリットとデメリット

正直なところ、無理して結婚式に出席するメリットとデメリットを考えることが多かったです。

メリット

  • 新郎新婦と直接会っておめでとうが言える
  • 懐かしい友人や知り合いに再会できる
  • 幸せな雰囲気を共有し、自分自身も楽しい時間を過ごせる

デメリット

  • ご祝儀やドレス代、交通費が大きな負担
  • 移動や宿泊が必要で体力も休日も消耗する
  • 同じ時期に何度も重なると、貯金が本当にあっという間に消えていく

最初のうちは「せっかく呼んでくれたんだから…」と思って参加していたけれど、やっぱり回数が重なるときつくなりました。

招待されるたびに「行きたいけど、支払いどうしよう…」って悩むのは、なかなかつらいものです。

経済的負担が大きくなればなるほどデメリットを大きく感じるようになっていきます。

経済的事情を考慮した対処策

家計を見直す

地味だけれど、家計簿をつけてお金の出入りを把握するのは大切だと感じました。「どれだけ外食に使ってるんだろう?」とか「サブスクで毎月いくら払ってるんだっけ?」とか、意外なところに無駄遣いが潜んでいることもあります。

結婚ラッシュが集中する時期だけでも支出を見直して、少しでも参加費用を捻出できるように心がけると、ストレスが和らぐかもしれません。ちょっと我慢が必要ですが、「大切な友人の結婚式に行くためだから…」と思えば、少し頑張れるかもしれません。

逆に「家計を切り詰めてまで行きたい結婚式なのか?」という気持ちもわいてきます。

実際、若年層の家計では交際費の割合が高くなりやすい一方、物価高や収入面の不安から節約志向が強くなっているとも言われています(総務省「家計調査」などより)。結婚式のご祝儀は交際費の中でも特に負担が大きい部類なので、参加数が多い時期は特に出費の優先度を考える必要があるでしょう。

新郎新婦と相談する

本当に仲の良い友人なら、思い切って事情を話してみるのも手です。

遠方であれば「交通費は出すから無理しないで来てね」と言ってくれる場合もありますし、「2次会だけでも顔を出してくれたら嬉しい!」と提案してくれることもあるかもしれません。

とはいえ「こっちの懐事情を話すなんて恥ずかしい」とか思ってしまうし、私もそこは正直に打ち明けられるタイプではありません。結局、結婚式のたびに頭を抱えるのは私だけ…みたいな気持ちになっていました。

別の形でお祝いする

どうしても費用の捻出が厳しいなら、最初から欠席を視野に入れるのも選択肢のひとつ。

欠席しても、後日プレゼントを贈ったりメッセージカードを送ったり、SNSで改めて「おめでとう!」を伝えたり――お祝いの方法はいろいろあると思います。

「結婚式に行かないなんて失礼かな…」と思うかもしれないけれど、むしろ中途半端に無理して暗い気持ちで参加するよりは、欠席をきちんと伝えたうえで別の形で心を込めてお祝いした方がお互いにハッピーなんじゃないかなと思いました。

というか、結婚式が続くと、お金ないから物理的に無理!ってなってきます。

欠席という選択肢もある

私が悩んだ末に出した結論は、「全部の結婚式に行くのはやっぱり無理。どうしても行きたいと思う式だけ、頑張って参加する」というもの。たとえば、親友や家族の式はどうにかお金を工面してでも行きたいし、顔を直接見ておめでとうを言いたい。

でも、数回しか会ったことのない友人や、あまり深い交流のない人の式まで全部参加していたら、私のほうが経済的に破綻してしまう。そうなる前に、早めの段階で「ごめんなさい、今回は難しそうです」と連絡を入れるようにしました。新郎新婦だって席の調整やお料理の手配があるので、欠席の連絡が早いほど助かるはずです。

実際、結婚式がもっとも多い年代は20代後半とされており(平均初婚年齢は女性で29.7歳、男性で31.1歳ですが、最も婚姻件数が多い層は20代後半がピーク)、友人や同僚の式が集中してウェディングラッシュになるのは珍しくありません。月に複数回のご祝儀支出が重なると、参列を続けるのが厳しくなるのは自然なことかもしれません。

お断りの連絡をするなら以下の記事を参考にどうぞ。

ドタキャンされると料理代は100%請求+引き出物代となり負担が大きいので欠席連絡は早いほど嬉しい。

もったいないという気持ちは悪いことではない

大切な友人の幸せを祝う気持ちは本物。でも、それと同じくらい自分の生活も大事。祝儀や旅費の出費を「もったいないな…」と思うのは、決して悪いことじゃないと思います。

「結婚式に行かない=冷たい人」ではないし、「行きたい気持ち」はあっても「家計が厳しい」というのは自然な感情。私も最初は「ケチだと思われたらどうしよう…」とビクビクしていましたが、そんなことを気にして自分の生活を崩してしまったら、それこそ本末転倒ですよね。

アンケートでも、結婚式を嫌がるというよりも「負担を感じる」「家計に支障が出る」といった声が多数見受けられます。理想のご祝儀額は「1万円程度がちょうどいい」という回答が最多だった調査もあり(HiClub株式会社による2024年調査)、実際の3万円相場とのギャップが若者のモヤモヤを大きくしているようです。

祝う気持ちと暮らしを両立させる

結婚式は人生の大切なイベントですが、それでも私たちには日常の暮らしがあります。仕事や家族のこと、貯金や将来のこと――考えなければいけないことはたくさんあって、その中に結婚式への出席も組み込むのは簡単じゃありません。

ご祝儀やドレス、交通費など、お金がかかるのは事実だからこそ、「これ以上は厳しい」と思ったら早めに動いたほうがいい。主催側と相談してみたり、欠席を決めるなら早めに連絡したり、あるいは別の形で気持ちを伝えるなど、いろいろな方法で祝うことはできます。

私は、「全部に参加しなくても、ちゃんとお祝いする気持ちさえあれば、それで十分なんじゃないか」と思うようになりました。大事なのは、相手を思う気持ちと自分の暮らしを壊さないことを両立させること。みんなが無理なく幸せになれる方法を探しながら、それぞれのペースでお祝いしていけたらいいですよね。

結婚式にまつわる出費を負担に感じるのは、決して珍しいことではありません。実際のところ、新郎新婦側にとっても平均で数百万円という大きな費用がかかるため、ご祝儀を頼りにする慣習が続いている面もあります。けれど、招かれる側の事情は千差万別。祝う気持ちはあっても高額な出費が難しいときは、無理をする前に選択肢を考えるのが大切なのだと思います。

ぶっちゃけ、行かなくてもいい

無理をして出席したところで、お金のやりくりに追われて心の余裕がなくなったら、本末転倒ですよね。結婚式は確かに人生の一大イベントだけれど、それはあくまで新郎新婦の人生。もし欠席したくらいで友情が壊れてしまうのなら、残念だけれど最初からそこまでの縁だったのかもしれません。むしろ早い段階でそうした価値観の違いがわかったほうが、後々の人生で余計なストレスを抱えずに済むとも考えられます。

もちろん「おめでとう」の気持ちがあるのなら、メッセージやギフトなど、ほかにもお祝いの手段はいくらでもあるはず。自分の暮らしも大事にしながら、素直な気持ちで祝える道を探してみるのが一番ですよね。

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